馬の一声、鹿がざわめく -ワンクリック騒動。意味をなさない鶴の声-
ほいっす。
第七回です。
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どこの現場にも旗振り役がまともにできない人がいます。中学生の生徒会より出来ない人ばかりです(筆者は生徒会副会長)。そのくせ出世に響くのでイエスマンに徹する中間層が多いのですが、端的に言えば大体炎上の原因はこいつらです。
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以前医療向けのこれからのシステムを真っ新からみんなで作らないと、という、割と厚生労働省も噛む大きなプロジェクトがあったのですが、アプリケーションを起動させるのが敷居が高い、ワンクリックでなんとかしろという、「お、おう」としか言えない鶴の一声(もとい馬の一声)がありました。
この業界の鶴の一声の特性は「可否や有用性の検討を含めない」ところがミソです。
つまり、旗振り役がグズっているだけで、着手始めれば流れていくならば鶴の一声は有効ですが、出来もしないことや、やっても意味のないことを部下や外注に押し付けるハイパークラスの無能のやり取りに下は奔走させられるのです。
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700万近くの追加予算を投じ改修されたアプリケーションが仕上がってきました。
サーバ構築していた自分は被害は免れましたが、受け入れ試験に立ち会うことに呼ばれ実際に動かす現場(惨状)を目撃しました。
「・・・。・・・。すいません。これワンクリックで動かないんですけど」
「・・・。Windowsの設定で”ダブルクリックで実行”を”ワンクリックで実行”に設定を変えたらワンクリックになります」
この瞬間の場の凍り付き。分かるでしょうか。
この鹿野郎。またやりやがった。馬上司と鹿部下による馬鹿コラボレーションに敵う人はいません。
フォルダもIEも全部がワンクリックでパッカパッカしてしまい、そもそもWindowsの挙動に手を加えて良いなんて誰が握ってんのという当たり前の議論が始まり、当初の作り通りの仕様で着地をした次第でした。
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俺は元OKIのエースだったという鹿ですがこの後消息不明になり、どっかみかか系の工場でLANケーブルの整理をやっているという風のうわさを聞きました。LANの延長用コネクタ持っている? とショートメッセージもらったことありましたが、当然無視しました。
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そもそもの鶴の声の妥当性が成してない夏のホラー話でした。
○○したいとか部下に言うくらいなら、七夕で短冊にでも書いて吊るしとけって感じです。